表表紙/裏表紙
見返し/---
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なかえ ゆういちくんへ
せかいで たった いっさつの えほん ようせいの こころをもった ゆうくん
みんな ゆうくんのことが だいすきです
2018年10月2日
ねずみくんとなかまたちより
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ようこそ! ゆうくん
ようこそ! あかちゃん
なかえよしを・作 上野紀子・絵
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こうのとりが
ゆうくんを
おとうさんの なかえ あきらさん
おかあさんの なかえ りのさんに
とどけるために
ふじさんのふもとに むかって
とんで いました。
「ゆうくんが うまれる
2017ねん10がつ2にち
ごぜん5じ53ぷんまでには
まだ だいぶ じかんも あるなあ。
ちょっと ひとやすみして いくかな。」
こうのとりは ずっと とびつづけて いたので
つかれて いたのです。
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こうのとりは きれいな おはなばたけに
まいおりました。
「きもちのいい おはなばたけだ。」
こうのとりが そういって やすんでいる あいだに
ゆうくんは はいはいして
おはなばたけの さんぽに でかけました。
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ゆうくんが おはなばたけに
はいって いくと そこに きれいな
ようせいの おうじょさまが あらわれました。
「ここからは ようせいの くにですよ。
ようせいで ないと はいれませんよ。」
ゆうくんは
なんの ことだか わかりません。
すると ようせいの おうじょさまは
「ゆうくんを
ようせいに して あげましょう。」
と いって つえを ふりました。
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すると ゆうくんの せなかに
かわいらしい はねが はえました。
はねが はえると
そこに ちいさな はなの ようせいが あらわれました。
「わたしが ようせいの くにを あんないします。」
ゆうくんは
はなの ようせいの あとに ついて
おはなばたけの うえを とんで いきました。
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「ようせいの くにの おともだちに
しょうかいして あげましょう。」
はなの ようせいは ゆうくんを
みんなの ところに つれて いきました。
「みなさーん あたらしい ようせいの
ゆうくんですよー。」
おはなに たくさん ちいさな ようせいたちが
あつまって きました。
あたらしい おともだちが できて
みんな うれしそうです。
「ゆうくんの
かんげいかいを しましょう。」
みんなが いいました。
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ちいさな ようせいたちは
ゆうくんの ために
ジュースを つくろうと
たくさん くだものを もって やって きました。
ゆうくんの ための ごちそうです。
「どうして みんな はじめて あったのに
こんなに しんせつに して くれるの?」
「だって ゆうくんの
よろこぶ かおが みたいんだもの。」
ちいさな ようせいたちが こたえました。
ゆうくんは うれしくて
ジュースを いっぱい のんで しまいました。
「それでは こんどは みんなで
かくれんぼを しましょう。
わたしが おにに なるから
みんな かくれて いいですよ。」
と はなの ようせいが いいました。
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それを きくと みんなは あっと いうまに
おはなの かげに かくれました。
ゆうくんも いそいで
おはなの かげに かくれました。
でも みんな すぐに
はなの ようせいに みつかって しまいました。
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「こんどは おにごっこを しましょう。」
はなの ようせいが いうと
「こんどは ゆうくんが
おにに なる。」
と ゆうくんが いいました。
「えっ ゆうくんが?」
みんなは おどろきました。
「どうして おになんかに なるの?」
と みんなは ゆうくんに
たずねました。
「だって みんなの よろこぶ かおが みたいんだもの。」
と ゆうくんは こたえました。
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みんなは ゆうくんが
こころの やさしい こだと おもいました。
それで ようせいの おうじょさまが
ゆうくんを ようせいに
したんだと おもいました。
ちいさな ようせいたち みんなは
そら たかく のぼりました。
とりさんが やって きて
びっくりぎょうてんしていました。
ゆうくんは たのしくて たのしくて
いつまでも とびまわって いました。
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あまり とびまわって いたので
みんな つかれて しまいました。
ちいさな ようせいたちは
おはなの うえに まいおりて
おはなの つぼみの なかで おひるねを しました。
ゆうくんの まわりに みんな よりそって
しあわせそうに ねて しまいました。
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しばらく ねて いると
どこからか かすかな こえが きこえて きました。
「ゆうくん。」
「あっ こうのとりの こえだ。」
みんなも
「きこえる きこえる。」
と いいました。
ゆうくんが みあたらないので
こうのとりが しんぱいして さがして いるのです。
「もう いかなくては。」
ゆうくんは いいました。
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「また あそびに きても いい?」
ゆうくんが たずねました。
「でも にんげんに なったら
ようせいで なくなっちゃうから
わたしたちの ことなんて きっと わすれちゃうよ。」
ちいさな ようせいたちが いいました。
「ぜったいに わすれない!」
ゆうくんは おおきな こえで いいました。
「さようなら また くるね。」
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ゆうくんは
こうのとりの こえの する ほうへ
ようせいの くにの おはなばたけから
でて いきました。
すると ゆうくんの
せなかの はねが きえました。
「さようなら また あそびに きてね。」
ちいさな ようせいたちは
ゆうくんに てを ふりました。
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ゆうくんが いって しまうと
ちいさな ようせいたちは
「ゆうくんは
わたしたちの ことなんか
すぐに わすれちゃうよ。
もう ようせいじゃあ ないんだから。」
「そうだよね。はねが ないんだものね。」
と かなしそうに いいました。
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すると そこに また
ようせいの おうじょさまが あらわれました。
そして いいました。
「だいじょうぶ。ゆうくんは
こころが ようせいに なりましたからね。
はねなんか なくても いつまでも
みんなの ことを わすれませんよ。」
ちいさな ようせいたちは あんしんしました。
「そうだよ。ゆうくんは
ようせいの こころを もった
ステキな にんげんに なるよ。」
「そうすれば きっと また あそびに きて くれるよ。」
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--- /見返し
ゆうくんは
さんふじんかの
やさしいせんせいの おかげで
しんちょう 49センチ たいじゅう 2970グラムで
たんじょうしたのでした。
おとうさんと おかあさんは
ゆうくんが うまれて だいかんげきでした。
ねずみくんたちが
ゆうくんの たんじょうを
おいわいして くれました。
それを みとどけると こうのとりは
まんぞくそうな かおを して かえって いきました。
ようこそ!あかちゃん
なかえよしを・作 上野紀子・絵
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