表表紙/裏表紙
見返し/---
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たにぐち るなちゃんへ
せかいで たった いっさつの えほん うまれてきてくれてありがとう・・・
かわいいおんなのこになってね!
2018年3月3日
おじいちゃんとおばあちゃんより
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ようこそ! ルナちゃん
ようこそ! あかちゃん
なかえよしを・作 上野紀子・絵
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こうのとりが
ルナちゃんを
おとうさんの たにぐち まさひろさん
おかあさんの えりこさんに
とどけるために
ともがおかに むかって
とんで いました。
「ルナちゃんが うまれる
2018ねん1がつ27にち
ごご3じ22ふんまでには
まだ だいぶ じかんも あるなあ。
ちょっと ひとやすみして いくかな。」
こうのとりは ずっと とびつづけて いたので
つかれて いたのです。
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こうのとりは きれいな おはなばたけに
まいおりました。
「きもちのいい おはなばたけだ。」
こうのとりが そういって やすんでいる あいだに
ルナちゃんは はいはいして
おはなばたけの さんぽに でかけました。
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ルナちゃんが おはなばたけに
はいって いくと そこに きれいな
ようせいの おうじょさまが あらわれました。
「ここからは ようせいの くにですよ。
ようせいで ないと はいれませんよ。」
ルナちゃんは
なんの ことだか わかりません。
すると ようせいの おうじょさまは
「ルナちゃんを
ようせいに して あげましょう。」
と いって つえを ふりました。
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すると ルナちゃんの せなかに
かわいらしい はねが はえました。
はねが はえると
そこに ちいさな はなの ようせいが あらわれました。
「わたしが ようせいの くにを あんないします。」
ルナちゃんは
はなの ようせいの あとに ついて
おはなばたけの うえを とんで いきました。
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「ようせいの くにの おともだちに
しょうかいして あげましょう。」
はなの ようせいは ルナちゃんを
みんなの ところに つれて いきました。
「みなさーん あたらしい ようせいの
ルナちゃんですよー。」
おはなに たくさん ちいさな ようせいたちが
あつまって きました。
あたらしい おともだちが できて
みんな うれしそうです。
「ルナちゃんの
かんげいかいを しましょう。」
みんなが いいました。
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ちいさな ようせいたちは
ルナちゃんの ために
ジュースを つくろうと
たくさん くだものを もって やって きました。
ルナちゃんの ための ごちそうです。
「どうして みんな はじめて あったのに
こんなに しんせつに して くれるの?」
「だって ルナちゃんの
よろこぶ かおが みたいんだもの。」
ちいさな ようせいたちが こたえました。
ルナちゃんは うれしくて
ジュースを いっぱい のんで しまいました。
「それでは こんどは みんなで
かくれんぼを しましょう。
わたしが おにに なるから
みんな かくれて いいですよ。」
と はなの ようせいが いいました。
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それを きくと みんなは あっと いうまに
おはなの かげに かくれました。
ルナちゃんも いそいで
おはなの かげに かくれました。
でも みんな すぐに
はなの ようせいに みつかって しまいました。
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「こんどは おにごっこを しましょう。」
はなの ようせいが いうと
「こんどは ルナちゃんが
おにに なる。」
と ルナちゃんが いいました。
「えっ ルナちゃんが?」
みんなは おどろきました。
「どうして おになんかに なるの?」
と みんなは ルナちゃんに
たずねました。
「だって みんなの よろこぶ かおが みたいんだもの。」
と ルナちゃんは こたえました。
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みんなは ルナちゃんが
こころの やさしい こだと おもいました。
それで ようせいの おうじょさまが
ルナちゃんを ようせいに
したんだと おもいました。
ちいさな ようせいたち みんなは
そら たかく のぼりました。
とりさんが やって きて
びっくりぎょうてんしていました。
ルナちゃんは たのしくて たのしくて
いつまでも とびまわって いました。
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あまり とびまわって いたので
みんな つかれて しまいました。
ちいさな ようせいたちは
おはなの うえに まいおりて
おはなの つぼみの なかで おひるねを しました。
ルナちゃんの まわりに みんな よりそって
しあわせそうに ねて しまいました。
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しばらく ねて いると
どこからか かすかな こえが きこえて きました。
「ルナちゃん。」
「あっ こうのとりの こえだ。」
みんなも
「きこえる きこえる。」
と いいました。
ルナちゃんが みあたらないので
こうのとりが しんぱいして さがして いるのです。
「もう いかなくては。」
ルナちゃんは いいました。
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「また あそびに きても いい?」
ルナちゃんが たずねました。
「でも にんげんに なったら
ようせいで なくなっちゃうから
わたしたちの ことなんて きっと わすれちゃうよ。」
ちいさな ようせいたちが いいました。
「ぜったいに わすれない!」
ルナちゃんは おおきな こえで いいました。
「さようなら また くるね。」
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ルナちゃんは
こうのとりの こえの する ほうへ
ようせいの くにの おはなばたけから
でて いきました。
すると ルナちゃんの
せなかの はねが きえました。
「さようなら また あそびに きてね。」
ちいさな ようせいたちは
ルナちゃんに てを ふりました。
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ルナちゃんが いって しまうと
ちいさな ようせいたちは
「ルナちゃんは
わたしたちの ことなんか
すぐに わすれちゃうよ。
もう ようせいじゃあ ないんだから。」
「そうだよね。はねが ないんだものね。」
と かなしそうに いいました。
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すると そこに また
ようせいの おうじょさまが あらわれました。
そして いいました。
「だいじょうぶ。ルナちゃんは
こころが ようせいに なりましたからね。
はねなんか なくても いつまでも
みんなの ことを わすれませんよ。」
ちいさな ようせいたちは あんしんしました。
「そうだよ。ルナちゃんは
ようせいの こころを もった
ステキな にんげんに なるよ。」
「そうすれば きっと また あそびに きて くれるよ。」
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--- /見返し
ルナちゃんは
ともがおかちゅうおうびょういんの
おおのせんせいの おかげで
しんちょう 47.5センチ たいじゅう 2880グラムで
たんじょうしたのでした。
おとうさんと おかあさんは
ルナちゃんが うまれて だいかんげきでした。
おじいちゃん、おばあちゃん、 たくさんのひとが
ルナちゃんの たんじょうを
おいわいして くれました。
それを みとどけると こうのとりは
まんぞくそうな かおを して かえって いきました。
ようこそ!あかちゃん
なかえよしを・作 上野紀子・絵
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