表表紙/裏表紙
見返し/---
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長谷川 沙耶ちゃんへ
せかいで たった いっさつの えほん ようせいと お友達の 沙耶ちゃん
すくすくと 元気に 育ってね
2018年2月8日
養西野 央助、桜子より
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ようこそ! さやちゃん
ようこそ! あかちゃん
なかえよしを・作 上野紀子・絵
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こうのとりが
さやちゃんを
おとうさんの 長谷川 邦男さん
おかあさんの 長谷川 夏美さんに
とどけるために
日本の東の方に むかって
とんで いました。
「さやちゃんが うまれる
2018ねん2がつ8にち
ごご2じ45ふんまでには
まだ だいぶ じかんも あるなあ。
ちょっと ひとやすみして いくかな。」
こうのとりは ずっと とびつづけて いたので
つかれて いたのです。
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こうのとりは きれいな おはなばたけに
まいおりました。
「きもちのいい おはなばたけだ。」
こうのとりが そういって やすんでいる あいだに
さやちゃんは はいはいして
おはなばたけの さんぽに でかけました。
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さやちゃんが おはなばたけに
はいって いくと そこに きれいな
ようせいの おうじょさまが あらわれました。
「ここからは ようせいの くにですよ。
ようせいで ないと はいれませんよ。」
さやちゃんは
なんの ことだか わかりません。
すると ようせいの おうじょさまは
「さやちゃんを
ようせいに して あげましょう。」
と いって つえを ふりました。
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すると さやちゃんの せなかに
かわいらしい はねが はえました。
はねが はえると
そこに ちいさな はなの ようせいが あらわれました。
「わたしが ようせいの くにを あんないします。」
さやちゃんは
はなの ようせいの あとに ついて
おはなばたけの うえを とんで いきました。
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「ようせいの くにの おともだちに
しょうかいして あげましょう。」
はなの ようせいは さやちゃんを
みんなの ところに つれて いきました。
「みなさーん あたらしい ようせいの
さやちゃんですよー。」
おはなに たくさん ちいさな ようせいたちが
あつまって きました。
あたらしい おともだちが できて
みんな うれしそうです。
「さやちゃんの
かんげいかいを しましょう。」
みんなが いいました。
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ちいさな ようせいたちは
さやちゃんの ために
ジュースを つくろうと
たくさん くだものを もって やって きました。
さやちゃんの ための ごちそうです。
「どうして みんな はじめて あったのに
こんなに しんせつに して くれるの?」
「だって さやちゃんの
よろこぶ かおが みたいんだもの。」
ちいさな ようせいたちが こたえました。
さやちゃんは うれしくて
ジュースを いっぱい のんで しまいました。
「それでは こんどは みんなで
かくれんぼを しましょう。
わたしが おにに なるから
みんな かくれて いいですよ。」
と はなの ようせいが いいました。
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それを きくと みんなは あっと いうまに
おはなの かげに かくれました。
さやちゃんも いそいで
おはなの かげに かくれました。
でも みんな すぐに
はなの ようせいに みつかって しまいました。
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「こんどは おにごっこを しましょう。」
はなの ようせいが いうと
「こんどは さやちゃんが
おにに なる。」
と さやちゃんが いいました。
「えっ さやちゃんが?」
みんなは おどろきました。
「どうして おになんかに なるの?」
と みんなは さやちゃんに
たずねました。
「だって みんなの よろこぶ かおが みたいんだもの。」
と さやちゃんは こたえました。
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みんなは さやちゃんが
こころの やさしい こだと おもいました。
それで ようせいの おうじょさまが
さやちゃんを ようせいに
したんだと おもいました。
ちいさな ようせいたち みんなは
そら たかく のぼりました。
とりさんが やって きて
びっくりぎょうてんしていました。
さやちゃんは たのしくて たのしくて
いつまでも とびまわって いました。
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あまり とびまわって いたので
みんな つかれて しまいました。
ちいさな ようせいたちは
おはなの うえに まいおりて
おはなの つぼみの なかで おひるねを しました。
さやちゃんの まわりに みんな よりそって
しあわせそうに ねて しまいました。
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しばらく ねて いると
どこからか かすかな こえが きこえて きました。
「さやちゃん。」
「あっ こうのとりの こえだ。」
みんなも
「きこえる きこえる。」
と いいました。
さやちゃんが みあたらないので
こうのとりが しんぱいして さがして いるのです。
「もう いかなくては。」
さやちゃんは いいました。
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「また あそびに きても いい?」
さやちゃんが たずねました。
「でも にんげんに なったら
ようせいで なくなっちゃうから
わたしたちの ことなんて きっと わすれちゃうよ。」
ちいさな ようせいたちが いいました。
「ぜったいに わすれない!」
さやちゃんは おおきな こえで いいました。
「さようなら また くるね。」
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さやちゃんは
こうのとりの こえの する ほうへ
ようせいの くにの おはなばたけから
でて いきました。
すると さやちゃんの
せなかの はねが きえました。
「さようなら また あそびに きてね。」
ちいさな ようせいたちは
さやちゃんに てを ふりました。
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さやちゃんが いって しまうと
ちいさな ようせいたちは
「さやちゃんは
わたしたちの ことなんか
すぐに わすれちゃうよ。
もう ようせいじゃあ ないんだから。」
「そうだよね。はねが ないんだものね。」
と かなしそうに いいました。
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すると そこに また
ようせいの おうじょさまが あらわれました。
そして いいました。
「だいじょうぶ。さやちゃんは
こころが ようせいに なりましたからね。
はねなんか なくても いつまでも
みんなの ことを わすれませんよ。」
ちいさな ようせいたちは あんしんしました。
「そうだよ。さやちゃんは
ようせいの こころを もった
ステキな にんげんに なるよ。」
「そうすれば きっと また あそびに きて くれるよ。」
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--- /見返し
さやちゃんは
びょういんの
いんちょうせんせいの おかげで
しんちょう 46.5センチ たいじゅう 2600グラムで
たんじょうしたのでした。
おとうさんと おかあさんは
さやちゃんが うまれて だいかんげきでした。
みんなが
さやちゃんの たんじょうを
おいわいして くれました。
それを みとどけると こうのとりは
まんぞくそうな かおを して かえって いきました。
ようこそ!あかちゃん
なかえよしを・作 上野紀子・絵
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