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表表紙/裏表紙

見返し/---
たつや
きょうりゅうのくにをいく


あなたにおくる おはなしのほん


ジョーゼフ・フィッタント作
あき よしこ訳
ヴァレリー・ウェブ画

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いちかわ たつや さま

これは あなたのために
とくべつに つくられた おはなしのほんです。


きょうりゅうが だいすきな たつや
いつか ユニコーンに あえるといいね




2018
パパとママより

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たつや5さい。
ふとんのなかで、ねがえりをうって ゆっくりと
めをあけました。でも、すぐに めをつぶりました。
「まさか!ユニコーンのはずがない!」
たつやは いま みたものが
しんじられなかったのです。
もういちど おそるおそる めをあけてみました。
そのどうぶつは やっぱりいました。
「おはよう、たつや
きょうは きみのねがいごとをきくために
ここに やってきたんだよ」
ユニコーンは ささやきました。
「……えーっと、……そうだ!
きょうりゅうのこと、もっとしりたいんだけど……」
たつやは こたえました。

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「そんなことなら、まかせといて!
これから、きょうりゅうのくにへ
つれていってあげるよ。よういは いい?
さぁ、しっかりつかまって!」
たつやをのせた ユニコーンは、
おおぞらに とびたちました。

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たつやとユニコーンが
ついたのは、うつくしいみずうみの ほとりです。
とてもおおきなアパトサウルスが、
「やぁ」と こえをかけてきました。
「ぼくのからだは、バスよりおおきいでしょ。
すきなたべものは、みどりの はっぱなんだ」
たつやが なまえをきくと
「ないんだ」
きょうりゅうは かなしそうに こたえました。
「じゃ、なまえをつけてあげる。
ミスター・ビッグってどう?」

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「ねぇ、みて!
あのやま、ひをふいている!」
たつやは、
みずうみのむこうを ゆびさしました。
「ああ、あれは かざんだよ。
まわりをみてごらん。
きょうりゅうのくにには かざんや ぬまや
ジャングルが、あちこちにあるんだよ」
「ほんと、すごくあついね」
たつやが いいました。

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そこへ、ステゴザウルスが あらわれました。
「みて!せなかのギザギザ!」
たつやは さけびました。
「あれは ほねのいたで できてるんだ。
ステゴザウルスは あのギザギザで
じぶんのみを まもったり、
あそこから たいようのねつをとりいれて
からだを あたたかくするのさ」
ユニコーンが おしえてくれました。

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たつやと ユニコーンは、
うすぐらいジャングルへ はいっていきました。
かわったかたちのむしや、いろいろなきょうりゅうが
たくさんいました。
あるきまわっていると、とおくから
ビシャビシャと おおきなおとが きこえてきました。
「あんなに おおきなおとを たてているのは
だれだろう?」
たつや
つきとめたくなりました。

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そんなに とおくないところで、
ティエラノサウルスに であいました。
この きょうりゅうは はが おおきくて、
がんじょうなうしろあしで たっていました。
ふといしっぽが からだのささえに なっています。
「あんなに おおきなおとを たてていたのは、
きみだったの!
ちょっとうるさかったから、
ノイジィーっていうなまえを つけてあげる!」と、
たつやは いいました。
「いま こんなことをしているなんて、
パパや、ママ
しんじてもらえるかなぁ……」
たつやは おもいました。

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きがつくと ユニコーンが ないていました。
「どうしたの?」
たつやが ききました。
「きょうりゅうたちには
なまえをつけてあげたのに、
ぼくには つけてくれないんだもん」
ユニコーンは しょんぼりしています。
「ごめん、ごめん。
そうだ エーリエルなんて どう?」
たつやが いうと
「いいね!」
ユニコーンが にっこりわらいました。

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とつぜん、ねことおなじくらいの おおきさの
コンプソグネイサスが
たつやたちの よこを
かけぬけながら さけびました。
「ぼくに ついてきて! いいもの みせてあげる」
「はやくはしれるから、
ライトニングって よんでもいいかい?」
と、たつやは いいながら
エーリエルと いっしょに すごいスピードで
ライトニングのあとを おっていきました。

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やすみなく どんどん はしっていくと、
ごつごつしたいわが そそりたっていました。
ライトニングが がけのうえのすを
みせてくれました。
なかには テルーダクティルスのこどもが
3びき いました。
「だれの こども なのかなぁ?」
たつやは おもいました。

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「わたしだよ」というこえが、そらから きこえて
テルーダクティルスが すがたを あらわしました。
たつや
そらをとべるトカゲが いるなんて
おもっても みませんでした。
「デッキーという なまえにきめた!」と、
たつやは おもいました。
デッキーが すに おりてきました。
エーリエルが デッキーと
なにか はなしを しています。

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エーリエルが たつや
「そろそろ いえに かえるじかんだよ」 と、
いいました。
たつや、エーリエル そして
テルーダクティルスは きょうりゅうのくにを
みおろしながら、うつくしいみずうみまで
まいもどってきました。
「なにが あるんだろう?」
きょうりゅうたちが テープやふうせんで きしべを
かざりつけています。
「なにが はじまるの?」
たつやが きいても、
エーリエルは こたえてくれません。

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ちじょうに おりたつと、
ペントセレープスが あいさつに やってきました。
たつやが すばやく かぞえると、
ペントセレープスのあたまには つのが 5ほん。
「なまえは ペンティーだ!」
たつやは きめました。
「わたしと いっしょに きてください。
あなたを びっくりさせることが あるんです」
ペンティーは いいました。

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きょうりゅうたちが おおきなケーキを
とりかこんで います。
「だれのケーキなの?」
たつや、きみのだよ!」
きょうりゅうたちが こえをそろえて いいました。
エーリエルと きょうりゅうたちは、
たつや
いえに かえるじかんに なったことを
しっていたのです。
だから みんなは たつや
じぶんたちの くにで すごした
きょうのことを おぼえていてほしくて
パーティーを することにしたのでした。

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パーティーが おわると
ティエラノサウルスのノイジーが いいました。
たつや ざんねんだけど
もうおうちに かえるじかんだよ」
たつやは、まだかえりたくありません。
でも パパや、ママ
しんぱいするし、
みんなに きょうりゅうの くにでの ぼうけんを
はなしたくて たまりませんでした。

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たつやを いえまで
おくってくれたエーリエルが、いいました。
「きみと いっしょで ぼくも たのしかったよ」
たつやの へやに
もらったケーキが ひとつと、
ともだちになったきょうりゅうたちの
サインのはいった カードが ありました。
「このケーキを
パパや、ママ
いっしょに たべて、
この ぼうけんの はなしをするね。
さようなら。エーリエル。
ぼくの ねがいを きいてくれて
ほんとうに ありがとう」

--- /見返し
たつや
ユニコーンにあったら おねがいしたいこと

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