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表表紙/裏表紙

見返し/---
ともはるくん
きょうりゅうのくにをいく


あなたにおくる おはなしのほん


ジョーゼフ・フィッタント作
あき よしこ訳
ヴァレリー・ウェブ画

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水野 朝陽 さま

これは あなたのために
とくべつに つくられた おはなしのほんです。


お父さんのように たくましく かっこよく
なって お母さんのような美人をみつけてね




201831
ことりおばさんより

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ともはるくん11さい。
ふとんのなかで、ねがえりをうって ゆっくりと
めをあけました。でも、すぐに めをつぶりました。
「まさか!ユニコーンのはずがない!」
ともはるくんは いま みたものが
しんじられなかったのです。
もういちど おそるおそる めをあけてみました。
そのどうぶつは やっぱりいました。
「おはよう、ともはるくん
きょうは きみのねがいごとをきくために
ここに やってきたんだよ」
ユニコーンは ささやきました。
「……えーっと、……そうだ!
きょうりゅうのこと、もっとしりたいんだけど……」
ともはるくんは こたえました。

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「そんなことなら、まかせといて!
これから、きょうりゅうのくにへ
つれていってあげるよ。よういは いい?
さぁ、しっかりつかまって!」
ともはるくんをのせた ユニコーンは、
おおぞらに とびたちました。

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ともはるくんとユニコーンが
ついたのは、うつくしいみずうみの ほとりです。
とてもおおきなアパトサウルスが、
「やぁ」と こえをかけてきました。
「ぼくのからだは、バスよりおおきいでしょ。
すきなたべものは、みどりの はっぱなんだ」
ともはるくんが なまえをきくと
「ないんだ」
きょうりゅうは かなしそうに こたえました。
「じゃ、なまえをつけてあげる。
ミスター・ビッグってどう?」

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「ねぇ、みて!
あのやま、ひをふいている!」
ともはるくんは、
みずうみのむこうを ゆびさしました。
「ああ、あれは かざんだよ。
まわりをみてごらん。
きょうりゅうのくにには かざんや ぬまや
ジャングルが、あちこちにあるんだよ」
「ほんと、すごくあついね」
ともはるくんが いいました。

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そこへ、ステゴザウルスが あらわれました。
「みて!せなかのギザギザ!」
ともはるくんは さけびました。
「あれは ほねのいたで できてるんだ。
ステゴザウルスは あのギザギザで
じぶんのみを まもったり、
あそこから たいようのねつをとりいれて
からだを あたたかくするのさ」
ユニコーンが おしえてくれました。

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ともはるくんと ユニコーンは、
うすぐらいジャングルへ はいっていきました。
かわったかたちのむしや、いろいろなきょうりゅうが
たくさんいました。
あるきまわっていると、とおくから
ビシャビシャと おおきなおとが きこえてきました。
「あんなに おおきなおとを たてているのは
だれだろう?」
ともはるくん
つきとめたくなりました。

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そんなに とおくないところで、
ティエラノサウルスに であいました。
この きょうりゅうは はが おおきくて、
がんじょうなうしろあしで たっていました。
ふといしっぽが からだのささえに なっています。
「あんなに おおきなおとを たてていたのは、
きみだったの!
ちょっとうるさかったから、
ノイジィーっていうなまえを つけてあげる!」と、
ともはるくんは いいました。
「いま こんなことをしているなんて、
吉川くんや、山田君や、西田くんや、菊池くん
しんじてもらえるかなぁ……」
ともはるくんは おもいました。

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きがつくと ユニコーンが ないていました。
「どうしたの?」
ともはるくんが ききました。
「きょうりゅうたちには
なまえをつけてあげたのに、
ぼくには つけてくれないんだもん」
ユニコーンは しょんぼりしています。
「ごめん、ごめん。
そうだ エーリエルなんて どう?」
ともはるくんが いうと
「いいね!」
ユニコーンが にっこりわらいました。

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とつぜん、ねことおなじくらいの おおきさの
コンプソグネイサスが
ともはるくんたちの よこを
かけぬけながら さけびました。
「ぼくに ついてきて! いいもの みせてあげる」
「はやくはしれるから、
ライトニングって よんでもいいかい?」
と、ともはるくんは いいながら
エーリエルと いっしょに すごいスピードで
ライトニングのあとを おっていきました。

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やすみなく どんどん はしっていくと、
ごつごつしたいわが そそりたっていました。
ライトニングが がけのうえのすを
みせてくれました。
なかには テルーダクティルスのこどもが
3びき いました。
「だれの こども なのかなぁ?」
ともはるくんは おもいました。

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「わたしだよ」というこえが、そらから きこえて
テルーダクティルスが すがたを あらわしました。
ともはるくん
そらをとべるトカゲが いるなんて
おもっても みませんでした。
「デッキーという なまえにきめた!」と、
ともはるくんは おもいました。
デッキーが すに おりてきました。
エーリエルが デッキーと
なにか はなしを しています。

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エーリエルが ともはるくん
「そろそろ いえに かえるじかんだよ」 と、
いいました。
ともはるくん、エーリエル そして
テルーダクティルスは きょうりゅうのくにを
みおろしながら、うつくしいみずうみまで
まいもどってきました。
「なにが あるんだろう?」
きょうりゅうたちが テープやふうせんで きしべを
かざりつけています。
「なにが はじまるの?」
ともはるくんが きいても、
エーリエルは こたえてくれません。

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ちじょうに おりたつと、
ペントセレープスが あいさつに やってきました。
ともはるくんが すばやく かぞえると、
ペントセレープスのあたまには つのが 5ほん。
「なまえは ペンティーだ!」
ともはるくんは きめました。
「わたしと いっしょに きてください。
あなたを びっくりさせることが あるんです」
ペンティーは いいました。

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きょうりゅうたちが おおきなケーキを
とりかこんで います。
「だれのケーキなの?」
ともはるくん、きみのだよ!」
きょうりゅうたちが こえをそろえて いいました。
エーリエルと きょうりゅうたちは、
ともはるくん
いえに かえるじかんに なったことを
しっていたのです。
だから みんなは ともはるくん
じぶんたちの くにで すごした
きょうのことを おぼえていてほしくて
パーティーを することにしたのでした。

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パーティーが おわると
ティエラノサウルスのノイジーが いいました。
ともはるくん ざんねんだけど
もう春日井市に かえるじかんだよ」
ともはるくんは、まだかえりたくありません。
でも 吉川くんや、山田君や、西田くんや、菊池くん
しんぱいするし、
みんなに きょうりゅうの くにでの ぼうけんを
はなしたくて たまりませんでした。

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ともはるくんを いえまで
おくってくれたエーリエルが、いいました。
「きみと いっしょで ぼくも たのしかったよ」
ともはるくんの へやに
もらったケーキが ひとつと、
ともだちになったきょうりゅうたちの
サインのはいった カードが ありました。
「このケーキを
吉川くんや、山田君や、西田くんや、菊池くん
いっしょに たべて、
この ぼうけんの はなしをするね。
さようなら。エーリエル。
ぼくの ねがいを きいてくれて
ほんとうに ありがとう」

--- /見返し
ともはるくん
ユニコーンにあったら おねがいしたいこと

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