表表紙/裏表紙
見返し/---
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誠一流 ゴルフ・プレー
あなたに贈るお話の本
ニコラス・グリーンジャケット作 あき よしこ訳
ステファン・マックケルヴァイ画
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これは、比類なきゴルファー 島田誠一のために
特別に書かれた本です。
2018年1月20日
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ゴルフは18世紀の初めにスコットランドで
生まれた競技であることは、よく知られています。
ささやかに始まったこの競技は、その後
世界中に広まり、今や人気スポーツとなっています。
ボビー・ジョーンズのような、
伝説的なプレーヤーも生まれました。
そして日本でも、国内ツアーにあきたらず、
海外のメジャー大会を目指すプロが
増えています。
ゴルフは世界中で、さまざまな形で
プレーされているのです。
しまさん流ゴルフもそのうちのひとつです。
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しまさんは、
西山や、澤田や、山田たちと
お気に入りの守口カントリークラブに
よくでかけます。
ここで安全なのは、
フェアウェイの真ん中だけ。
そのほかの場所では、
虫も木も鳥もモグラさえ みんな死の危険に
さらされてしまうのです!
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他人のうわさとは裏腹に、
しまさんはケチるということがありません。
子供の教育費、家のローンなど
あまりたいしたことのないところに
少し細かいところがあるかもしれませんが……
ゴルフのこととなると話は違います。
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しまさんは以前、
「ゴルフは勝つためにする競技だ」と教わりました。
それ以来、いつも賭けて
プレーすることにしています。
スウィングは
チャーシューメンのリズムで打つことや
ゴルフボールはけっして水に浮かないことなども、
しまさんは何年もかけて、体得したのです。
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しまさんの生活の中で
ゴルフがいちばん大事というわけではありません。
彼は何を優先させるべきか、
物事のバランスをどうとるかを心得ています。
かつてしまさんが
嵐の中で全コースを回ったという事実はありません。
彼が17ホール回ったところで、
ゴルフ場がクローズになってしまっただけなのです。
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ゴルファーは誰でも、パーフェクト・ラウンドを
夢見ています。
ティーグラウンドから
フェアウェイの真ん中に飛ばし、
グリーンをねらって正確に打ち、
パットはカップの中心へ……
こんなシンプルで謙虚なものです。
自分の年齢だけ打つことを、
究極の目標にしている人もいます。
しまさんが40を打つのはたやすいことです。
問題は、最初の数ホールでその目的が
達成できてしまうことなのです。
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ゴルフの名手といわれる人は、いかなる場合にも、
各種のショットで対応できます。
例えば 、フェード、ドロー、パンチ・ショット、
ランニング・アプローチ、というように。
しまさんも多彩なショット…例えば
チョロ、テンプラ、ドスライス、ドフックなどを
繰り出します。
彼の持つ最高のショットは、
西山と、澤田と、山田命名の
“まぼろしの一撃”です。
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以前、ゴルフにハンディキャップ・システムが
導入されました。
これはゴルフの腕前に差がある人同士でも
一緒に競えるように考えられたものです。
プレー最後の20ラウンドのうち
成績のよい10ラウンドをとり、
その人のハンディを計算するのです。
しまさんにとって、
このシステムは大きな欠点があります。
彼は数える価値のある10ラウンドを
回ったことがないのです!?
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しまさんがゴルフをする理由のひとつは、
運動のためです。
ほかの運動はどれもしまさんには不向きでした。
泳ごうとすれば体が浮かず、
テニスをやればネットにボールの行く手を阻まれ、
さっさと切り上げたのは、よかったのですが、
彼はホトホト疲れてしまいました。
しまさんのようにほどよく鍛えられた肉体の持ち主には、
ゴルフはぴったりの運動だったのです。
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ゴルフのラウンドを回りおえると、
いつもしまさんは
西山や、澤田や、山田と
『19番ホール』に現れます。
そこでその日のショットについて話し合ったり、
次の日程を決めたりするのです。
おなじみのシーンではありますが、
しまさんは仲間と
一杯ひっかけます。
それから、いかに今日はついていなかったか、
あそこにバンカーがなかったら、
あのショットさえうまく打っていればと
いつものことをあれこれ話し合い
賭けの借金を、作り笑顔で払います。
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ゴルフの腕はたいしたことがないのですが、
しまさんはときに素晴らしいショットを
繰り出します。
以前、ディープ・バンカーから打ったショットが
奇蹟的にチップインしたことは、
いまだにみんなの語り草になっています。
手の5番を使ったって、
あんなショットは打てないですよね!?
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しまさんは友だちも、
ゴルフも大好きだからこそ、プレーするのです。
みんなで出かけて、自然の中で
緊張から解放されるチャンスでもあります。
しまさんは
こんなことを言ったことがありました。
「ゴルフボールを打つたびに、
ストレスが解消されてゆくんだよ」
事実、ゴルフをするたびに、
本当にたくさんのストレスが解消されるのです。
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しまさんはいつか
自分のゴルフの本を書くことを夢見ています。
『3歩前進2歩後退
−しまさんのゴルフ人生辛抱だ』
『ゴルフにおける能書きとスコアの相関関係
−しまさん著』
『しまさんの
19番ホールの楽しみ方』
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しまさんは何年間も
自分のゴルフに挫折感を味わってきたにも関わらず、
いまだにゴルフを続けている、
その根性は見上げたものです。
彼は我を忘れて
1日中、原野や森林を走り回るのです。
だからこそ
賭けに負けたときの支払いが
きれいなことはさておき、
しまさんはかけがえのないゴルフ仲間なのです。
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ゴルフは、島田誠一にとって
まさにチャレンジなのです。
西山や、澤田や、山田がしまさんに
どうしてゴルフをするのか問いかけます。
その答は明白です。
ティーショットがうなりをあげて、飛んでいく瞬間。
アイアンショットがピンにからんでいく瞬間。
ロングパットがラインどうりに
カップに吸い込まれていく瞬間……
しまさんにとってそんなありふれた出来事はともかく、
ロングホールでセカンドショットが
直接カップインするような
奇跡の主人公になる為にゴルフを続けているのです。
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島田誠一 様
自分流ゴルフを楽しんでください。
スコアが悪いからといって、
その日を棒にふるようなことがないように。
ゴルフをボウリングと同じように考えたら
いいと思います。
スコアが高いほどいいんだってくらいに……
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--- /見返し
今度はお手柔らかに
永山 慶介より
2018年1月20日
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