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見返し/---
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智美に 贈る
世界でたった一冊の絵本 大切な智美
智美は僕の宝物だよ
平成30年12月8日
将也より
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永井 智美さんへ
ハッピー バースデイ
ハッピーバースディ
おたんじょうびのほん
庄司三智子 作・絵
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ずっと ずっとまえ。
正確には 29年前。
智美は、
生まれたばかりの赤ちゃんだったね。
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はじめて浴びる太陽の光。
はじめて聞く風の音や、雨音。
はじめてかぐ樹のかおり。
はじめてさわる大きな手。
はじめてふくむミルクの味。
智美は、どう感じただろう。
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生まれたばかりの赤ちゃんの
智美にも、
すぐに「お気に入り」ができたね。
見るだけでかわいい 赤ちゃんのおもちゃたち。
あのころ 智美が
大好きだった
「お気に入り」おもちゃを、覚えてる?
眼を閉じてみて。
もしかしたら、感触だけでも
思い出せるかもしれないから。
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遊ぶの大好き!
いっぱい遊んだあとのお楽しみは、
おやつのお菓子。
智美の
ちいちゃいころの
「お気に入り」のお菓子って何だった?
口の中に
あのときの味がひろがってこない?
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そして今、
平成30年12月8日、
智美は、
29歳の お誕生日を迎えている。
智美が
ちょうど29年生きたね、という記念日。
少しずつ増えた「お気に入り」も 29年分。
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お誕生日は おいしい「お気に入り」で!
まずは心をこめて おめでとうのケーキを。
やさしく あまい、
とろけて 美しい、
丸い 四角い、
星型 ハートの、
ケーキ いろいろ。
智美だったら、どれがいい?
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つぎのおいしいは、かおりたつ果物。
いちごにメロン、
りんごにさくらんぼ、
もも なし バナナ グレープフルーツ ぶどう、
かき いちじく あんず マンゴー パイナップル……!
数えきれないほどある果物の種類。
その種類の数だけある それぞれのいい匂い。
そんな中で、
智美の「お気に入り」は何かな?
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キッチンで 野菜を洗う音や湯気の気配がする。
駅から5分の
智美の家には、
おいしそうな料理が並んだね。
さあ 智美が
一番好きなごちそうを、どうぞ。
お母さんのハンバーグ?
それともお父さんのカレー?
おばあちゃんの甘い煮豆?
駅前のラーメン屋さんのぎょうざ?
今日はきっとそれだよ。
お誕生日だもの。
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智美の
お誕生日を 29回祝ってくれた、
お父さんとお母さん。
いつも一緒でも、
離れていることがあったとしても、
ふたりとも、ずっとこの日を祝うことを忘れない。
ふたりとも 智美を愛してて
智美は、ふたりの宝物。
智美にとっても、
お父さんとお母さんは 大好きな宝物。
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29歳になった 智美は
お父さんとお母さんのほかにも
たくさんの人と出会ってきたね。
将也と
大事な時間を過ごしたり。
そんななかで、
今の 智美に、もしかしたら
お父さんより お母さんより
好きな人がいるかもしれないね。
それがだれでも
智美が 好きな人だもの。
すてきな人のはず、宝物だね。
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智美は、
大好きな人といっしょに聴きたい
「お気に入り」の音楽、ある?
音楽ってふしぎ。
人によって好みが、すごく違う。
でも確かに心に届いて
ほっとしたり、元気になれたり。
好きな音楽は、もう最高って感じ!
形がないから、
目に見えないし、さわれない。
智美の
耳がさがす「お気に入り」
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眼がさがす「お気に入り」もあるよね。
レモンイエロー オリーブグリーン
スカイブルー。
たくさんの色の中に、
特に好きな色があるって不思議。
智美の眼がさがし出す
「お気に入り」はどんな色?
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智美には、
ほかにも、まだまだいろいろな
「お気に入り」があるでしょ。
お気に入りの服。
お気に入りの場所。
お気に入りの本。
お気に入りの絵。
お気に入りの花……。
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「お気に入り」って、
どういうことだと思う?
形・色・匂い・肌ざわり・かかわり・思い出……、
いろいろな混ざりあい。
うまくは言えないよね。
でも、たった一つ確かなこと。
29歳の 智美が、
好きだと感じていること。
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他の人には感心がなくても、
「お気に入り」たちは
智美の 大事な宝物たち。
29年間、過ぎてきた日々の中から、
智美が、
感じてはじめて宝物になった。
智美のなかで、
ほら、輝いている。
それにしても
29歳の 智美の宝物、
いっぱい あったね。
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ちゃんと触れて
ちゃんと見えて
ちゃんと聞こえて
ちゃんと味わえて
ちゃんと匂いがわかって
そしてちゃんと感じて……。
たくさんの「お気に入り」ができた。
智美だけの
宝物をたくさん持つ、
世界でたった1人の 智美
お誕生日 おめでとう。
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