表表紙/裏表紙
見返し/---
|
|
健太に 贈る
世界でたった一冊の絵本
健太 メリークリスマス！
今まで色々あったけど、これからもよろしく
18年12月25日
菜々子より
|
|
---/Page1
Page2/Page3
 |
福田 健太さんへ
メリークリスマス
とっておきの
プレゼント
おかもと香織 作・絵
|
|
Page4/Page5
ぼくはちょっと特別な トナカイ、
サンタクロースのそりをひく 名誉あるトナカイです。
この本を開いた 健太に、
サンタクロースの秘密を
特別に少しだけ 教えてあげましょう。
|
|
 |
Page6/Page7
 |
サンタクロースは 実は一人ではありません。
たくさんいるのです。
なにしろ たった一晩で、
世界中の子どもたちに
プレゼントを届けなくてはなりませんからねえ。
思い出して下さい。
健太は 子どもの頃、
サンタクロースの不思議を
いろいろ想像しませんでしたか？
|
|
Page8/Page9
サンタクロースはたくさんいても、
その姿が見られることは決してありません。
なんといっても 魔法の粉を持っていますから。
振りかけると人間には見えなくなる ふしぎな粉をね。
健太は
サンタクロースに会えなくても、
見えなくても、
サンタクロースが来てくれたと 感じていましたよね？
|
|
 |
Page10/Page11
 |
もしも、
サンタクロースがプレゼントを置いているところを
子どもに見つかったら、
家中大騒ぎになって、
大変なことになってしまいますからねぇ。
たくさんの家を 回れなくなってしまうし、
ああ 想像しただけでも ドキッとする・・・。
健太をはじめ、子どもたちが
眠いのを我慢して 待っていてくれたことは
よくわかっていたのですが・・・。
|
|
Page12/Page13
でもね、
むかし、うっかりもののサンタクロースが
魔法の粉を かけ忘れたことがあったんです。
それで、サンタクロースや ぼくたちトナカイの存在が、
世の中に 知られてしまったというわけです。
健太も、誰もが知っている、
あの赤いユニフォームとか 空飛ぶそりとかもね。
|
|
 |
Page14/Page15
 |
その時は テレビが無い時代でよかったですよ！
もしも今 見つかってしまったら、
サンタクロース村は たちまちあばき出され、
テレビのリポーターやら、デパートの人間やら、
観光客やら たくさん押しかけてきて、
サンタクロース村の静かな生活は
なくなっていたでしょうから。
特に ぼくたちトナカイはデリケートな動物で、
自然豊かな静かな場所でしか 生きられないんです。
健太なら
サンタクロース村を
静かなままにしてくれますよね。
それとも 訪ねてみたいですか・・・。
|
|
Page16/Page17
普段は静かなサンタクロース村ですが、
年に一度の夏祭りだけは 別です。
サンタクロースの大好きな花火が
パンパン上がるものですから・・・。
ぼくたちトナカイは 特に大きな音に弱い。
サンタクロースたちは
花火を見ながらワインを飲んで、ダンスして、
そりゃあもう、大盛り上がりですけどね。
健太は
夏を楽しむサンタクロースの気持ちがわかりますかねぇ。
|
|
 |
Page18/Page19
 |
ぼくたちは 花火の間、
干草にもぐりこんで ぶるぶる震えながら
終わるのをひたすら待つんです。
夏祭りは サンタクロースの大の楽しみ。
まぁ 年に一度くらいは我慢してあげないとねぇ。
健太も
誰かのために我慢してあげること、
あるでしょ？
|
|
Page20/Page21
そうそう あれはアフリカだったか、
とんでもなく暑い夜空を
ひーひー言いながら飛んでいたら、
大きな太鼓の音が 響いてきて、
ぼくはもう ひっくり返りそうになったんです。
するとサンタクロース、飲みかけのワインのコルクで
すばやく ぼくに耳栓をしてくれましたよ！
おかげで、ひっくり返らずにすみました・・・。
あ、健太 心配しないで。
飲酒運転ではないですよ。
空の案内は ぼくたちトナカイの役目ですから。
|
|
 |
Page22/Page23
 |
大きな音の中でも、
あの雷ってやつは 耐え難いものがありますね！
世の中で 一番嫌いです。
でも、サンタクロースはちゃんと分かってくれていて、
雷の夜だけは、ぼくをベッドに入れてくれるんです。
やさしい人です。
健太にも
こんな経験ありましたか？
今は 誰かを守っているのでしょうか。
|
|
Page24/Page25
健太の周りで、
サンタクロースに
一度もプレゼントをもらったことがないっていう人
いますか？
ああ、やっぱり いる・・・。
では、もうひとつの
とびきりの秘密を教えてあげましょう。
サンタクロースは 世界中のみんなに
一人残らず、
「とっておきのプレゼント」を届けます。
|
|
 |
Page26/Page27
 |
その「とっておきのプレゼント」というのは
・・・ キス！
サンタクロースは
その人の幸せを祈って、心をこめて
おでこに キスのプレゼントをするんです。
健太にも、
実際のプレゼントをもらわなかった人にも、
サンタクロースは「とっておきのプレゼント」を
確かに届けましたよ。
みんなかわいい寝顔だったなぁ・・・
|
|
Page28/Page29
サンタクロースの一番の願いは
世界中の人たちの しあわせです。
今 22歳になった健太も
おなじ思いではありませんか？
その願いがかなうまで、
サンタクロースはすべての人たちに
「とっておきのプレゼント」を届け続けます。
|
|
 |
Page30/Page31
 |
「とっておきのプレゼント」をもらった
健太に
お願いがあります。
サンタクロースのおてつだいを してほしいのです。
いや、かんたん かんたん。
「とっておきのプレゼント」にこめた
サンタクロースの思いを
健太 の周りの
お友達に
伝えてほしいのです。
|
|
Page32/Page33
そして その思いを
お友達がまた
周りの人に伝えてくれる・・・。
人々の幸せを願うやさしさの環が
世界中に広がれば、
人々は幸せになれるはずです。
大人たちが全員協力してくれれば、
サンタクロースの願いはきっと 叶います。
|
|
 |
Page34/Page35
 |
最後にそっと教えてあげましょう。
今年のクリスマスは 菜々子に頼まれて、
大人になった 健太に
「とっておきのプレゼント」を届けることになっています。
千葉県浦安市まで飛んでいきますよ、特別に。
サンタクロースの存在や
想像する大切さを知っている
健太だからこそへの 贈り物です。
来年もきっと ステキなことがたくさん起こりますよ。
サンタクロースのキスの威力は すごいですからねぇ。
おたのしみに！！
|
|
--- /見返し
|
